1995年に公開された押井守監督の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』は、日本のアニメーションが到達した哲学的・映像的極致であり、後の『マトリックス』など世界のSF映画の歴史を永久に変えてしまった作品です。士郎正宗の原作をベースに、情報の海の中で自身のアイデンティティ(ゴースト)を模索する公安九課の草薙素子と、正体不明のハッカー「人形使い」の接触を描いています。

川井憲次による荘厳な合唱曲が流れる中、雨の降りしきる近未来都市を彷徨う素子の姿は、美しくも孤独に満ちています。徹底的にこだわり抜かれた重厚な背景美術と、静謐な演出の中に突如差し込まれる凄まじいアクション描写が、電脳化された社会のリアリティを構築しています。「情報の海」と「生命の起源」を繋ぐ壮大なテーマは、デジタル化が進んだ現代において、さらにその輝きを増しています。

エンターテインメントという枠組みを超え、人間の定義そのものを問いかける本作は、世界中に熱狂的なファン(ウォシャウスキー姉妹、ジェームズ・キャメロンら)を持つ、SFアニメーションの永遠の金字塔です。