柚月裕子の同名小説を白石和彌監督が映画化した『孤狼の血』(2018年)は、1970年代の『仁義なき戦い』を彷彿とさせる、熱量の高い警察・極道アクションの傑作です。昭和63年の広島。暴力団同士の抗争が激化する中、型破りな刑事・大上と、彼の下に配属された新人刑事・日岡が、正義と悪の境界線上で生き抜く姿を描きます。
役所広司演じる大上の、「目的のためなら手段を選ばない」泥臭くも圧倒的な存在感は圧巻。彼に反発しながらも、次第にその真意と覚悟を理解していく松坂桃李の変貌ぶりも見どころです。容赦ない暴力描写と、男たちの意地がぶつかり合うドラマチックな脚本は、邦画アクションの復権を感じさせました。
日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を含む数々の賞を受賞し、続編も制作されるなど、新しい時代のクライム・エンターテインメントとして確固たる地位を築いた作品です。