2004年に公開された中島哲也監督の『下妻物語』は、嶽本野ばらの小説を、極彩色のビジュアルと圧倒的なテンポ感で映像化した、唯一無二のガールズ・ムービーです。ロリータ・ファッションをこよなく愛し、一人で生きることを望む桃子と、特攻服に身を包み、暴走族に所属するイチゴ。茨城の田舎町を舞台に、決して相容れないはずの二人の間に芽生える奇妙な友情と、自分らしく生きることの難しさと喜びを、爆笑と感動とともに描いています。

深田恭子の浮世離れした美しさと、土屋アンナの剥き出しのバイタリティが、漫画的な設定に確かな血肉を与えています。菅野よう子によるポップな音楽と、CGやアニメーションを自在にミックスした中島監督の魔法のような演出は、観る者を飽きさせません。後半、桃子がイチゴを助けるために見せる「自分を貫く強さ」は、観る者の胸を熱くさせます。

「誰に何と言われようと、好きなものを好きだと言う」。そんなシンプルで力強いメッセージを、これほどまでに可愛らしく、格好良く描き切った本作は、今なお多くの若者のバイブルであり続けています。