1985年に公開された相米慎二監督の『台風クラブ』は、思春期という危うい季節にある中学生たちの内なる衝動を、台風という非日常の力によって解き放つ様を描いた、日本映画史に残る強烈な青春映画です。日常の管理から外れ、学校という密閉された空間で過ごす一夜。彼らは歌い、踊り、そして決定的な一線を越えていきます。

相米監督特有の、俳優の生理を極限まで引き出す長回しのカメラワークが、子供とも大人ともつかない彼らの不安定な感情を鮮烈に捉えています。工藤夕貴や三上祐一ら当時無名の少年少女たちが放つ、剥き出しの熱量は圧巻です。激しい風雨の中で裸で踊るシーンの狂気的な美しさと、翌朝の台風一過の静寂のコントラストが、青春の輝きと残酷さを象徴しています。

既存の「青春もの」とは一線を画す、生々しく、かつ幻想的な演出は、後の多くの映画監督(岩井俊二など)に多大な影響を与えました。第1回東京国際映画祭でヤングシネマ部門大賞を受賞し、今なお世界中のシネフィルに愛され続ける、伝説的な青春のバイブルです。