森見登美彦のベストセラー小説を湯浅政明監督がアニメーション映画化した『夜は短し歩けよ乙女』(2017年)は、変幻自在の色彩と自由奔放な作画が炸裂する、最高に楽しい「夜の冒険譚」です。京都の街を舞台に、一晩の間に季節が移り変わるというファンタジックな設定の中、黒髪の乙女と、彼女の目にとまるべく奮闘する先輩の恋の行方を描きます。
湯浅監督特有の、パースを崩したダイナミックな動きと、サイケデリックな色使いが、森見ワールドの独特な語り口と完璧にマッチ。古本市での神様との遭遇や、突如始まるミュージカル、そしてインフルエンザの神様との戦いなど、予測不能な展開がノンストップで繰り広げられます。
星野源と花澤香菜の軽妙な掛け合いも素晴らしく、見るだけで心が浮き立つような、大人から子供まで楽しめる極上のアニメーション・エンターテインメントに仕上がっています。